2021/04/29 22:23
「かつてニットデザイナーだった私がイタリアに来たのは、『手横編機』の技術を学ぶためでした。
手横編機での作業は、編み針が並んだ横長のベッド(針床)の上を、手動でキャリッジ(糸を針へと供給する装置)を左右に動かすことで編み地を編んでいくというもので、キャリッジを握る手から一段ずつ編まれてゆく糸の流れを感じることができます。その編み地がなんとも表情豊かで美しいのは、手で感じながら、糸と対話しながら作られているからだと思います。」YURI PARK
編み物の起源は手編みで、その歴史は古代エジプトにまで遡りますが、機械による編み物の歴史は、1589年イギリスの牧師ウィリアム・リーが足踏み式の靴下編機を発明したことにはじまり、その後「手横編機」の原型となる機械は、1863年にアイザック・ウイリアム・ラムによって発明され、この技術はニット産業の発展に大きく貢献しました。その後、時代の移り変わりと共に、「手横編機」での作業はコンピューター自動機へと移行し、その需要は極限られたものとなっていきました。イタリアにおいては、1980年代初頭に手横編み機自体の生産も終了し、今では部品の確保さえ困難になっています。YURI PARKの手横編機は、師であるリナの時代から引き継がれ、アルティジャーノニットを編むため、今も大切に使い続けられています。